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2025.12.01EVENT

【受賞報告】3大学(法政・関西・中央)データサイエンス・アイデアコンテスト2025で本学学生チームが「優秀賞」及び「マイナビ賞」をW受賞しました

2025年11月22日(土)関西大学梅田キャンパスにて開催された、3大学(法政・関西・中央)共催 データサイエンス・アイデアコンテスト2025(協賛 マイナビ)の最終選考会において、本学学生チーム「Connect_Rikejo_o」は「優秀賞」を受賞しました。また、協賛企業のマイナビが選考する「マイナビ賞」のダブル受賞となりました。今回の受賞を受けて、コメントを寄せてくださいましたので、ご紹介します。
 
テーマ   〜ウェルビーイング×理工系女子の未来のための提案〜つながる。リケジョ
メンバー     伊藤 心愛さん
 島田 彩花さん
 ※いずれも情報科学部コンピュター科学科所属
概 要 理工系女子学生として普段の大学生活の中で感じてきた身近な思いを起点に理工系女子学生が少ない状況の当たり前を変化させることが社会全体のウェルビーイング向上に繋がるアイデア提案した。その背景にある要因を正しく捉えるために単回帰分析を用いたデータ解析の裏付けや調査を深堀りする中でロールモデルの不足にも着眼し、アプリを用いた「中高大社会連携型マッチングアプリ~つながる。リケジョ~」を提案した。











 
1.エントリーのきっかけ
2名のうち1名は付属高校在籍時から、本コンテスト(第1回)に挑戦したいという気持ちを持っていましたが、当時は挑戦に踏みきる自信が十分ではありませんでした。しかし、大学での学びや日々の経験を通してスキルが少しずつ身についたことで、改めて挑戦したいという思いが強まり、今回、同じ学部の知人とチームを組み、再び、このコンテストに臨むことにしました。挑戦にあたって私たちは、数理・データサイエンス・AIプログラム(略称:MDAP)や情報科学部で培ってきた学びを活かし、情報技術を用いたデータに基づくアイデアを形にすることを目指しました。

2.アイデアの経緯・苦労した点や気づき
私たちは、今回のテーマである「ウェルビーイング×●●のための提案」を考えるにあたり、まずは理工系女子大学生として普段の大学生活の中で感じてきた身近な思いを出発点としました。講義やキャンパスで過ごす中で、「女子が少ない状況」が当たり前の景色として目に入ることが多く、その背景にある要因を正しく捉えることが、新たなアイデアにつながるのではないかと考えるようになりました。
そうした日常の実感を踏まえてデータを調べたところ、日本の理工系学部における女子入学者比率は現在約20%であり、国際的に見ても低い水準であるということがわかりました。 私たちは、この状況を改善するには女子比率の到達目標を明確にすることが不可欠だと考え、その基準としてOECD加盟国における理工系分野の女子入学者比率の平均値に着目し、2035年までに同水準へ引き上げることを目標として設定しました。また、この目標が現在の推移で実現可能かどうかを定量的に分析する必要があると考え、現状の推移が続いた場合、目標値には届かないのではないかと仮定し、単回帰分析を用いてその妥当性を検証しました。分析の結果、10年後の推計値でもOECD平均には届かないことが明らかになり、理工系分野の女子入学者比率の推移をさらに高めるためには新たな働きかけが必要であることが明確になりました。さらに調査を進めていくと、女子比率の伸びが鈍い背景には、「ロールモデルの不足」 と 「理工系女子が直面する心理的ハードル」という二つの大きな要因があることがわかりました。
そこで私たちは、理工系女子が多様な同性ロールモデルに、理工系女子特有の悩みや進路、就活、キャリアなどを気軽に安全に相談できる場が必要であると考え、中高大社会連携型の学内マッチングプラットフォーム「つながる。リケジョ」を、私たち自身で開発・運営するというアイデアを提案しました。
このアイデアを創り上げていく中で、理工系女子である私たち自身が「欲しかった繋がり」を軸に考えを深められたことは、「ウェルビーイング×理工系女子の未来」の実現に向け、自らも一歩踏み出したいと感じる大きなきっかけとなったと考えています。
アイデアを具体化する過程では、さまざまな課題にも直面しました。今回苦労した点の一つは、理工系女子に特化したデータの収集と分析でした。理工系女子に関する統計や情報は限られており、関連するデータを見つけるのに工夫が必要でした。既存のデータを整理し、分析の手法を工夫することで、できるだけ正確で説得力のある根拠を示せるよう努めました。
また、発表内容をまとめていく過程では、限られたプレゼンテーション時間の中で、分析結果やアイデアをどのように整理し、視覚的にわかりやすい形にまとめるかという点にも大いに苦労しました。スライドの構成や図表のレイアウトは、わずかな位置の違いでも印象が変わるため、配置や余白をミリ単位で調整しながら丁寧に作り込みました。発表全体の流れについては、チームで意見を出し合いながら試行錯誤を重ね、内容の整理や伝え方を何度も見直しました。こうした取り組みを通じて、発表の質を高めることができ、チームとしても個人としても成長することができました。
 
3.自身のチームの発表、他のチームのプレゼンを聞いた感想
一次選考通過後、大学院生のメンターによる相談サービスを受ける機会をいただきました。当初はスライドに動画を挿入し発表する予定でしたが、メンターの方の経験に基づくアドバイスを受け、動画の代替としてアニメーションを活用し、画面遷移で内容を効果的に提示する手法に改めました。また、オーディエンス参加型のプレゼンテーションを意識し、マッチングプラットフォーム「つながる。リケジョ」デモ版へのアクセス用QRコードを提示し、審査員の方々や参加者にデモ版を操作しながら説明を聞いていただくことで、実際に体験していただくことができました。
発表当日は時間制約や緊張もあり、当初の予定とは多少異なる部分もありましたが、チームでの入念な準備の成果もあって、発表を滞りなく終えることができ、大きな達成感を得ることができました。そして、他チームのプレゼンテーションやポスター発表を通して、推し活や音楽イベント、広告、食生活など、自分たちとは異なる視点からウェルビーイングを捉えた多様なアイデアに触れることができました。日常に近いテーマからのアプローチも多く、同じテーマでもこんなにも幅が広がるのかと刺激を受けました。さらに、参加者の投票で決まる「オーディエンス賞」は自分の一票が反映されるという体験も新鮮で、発表を聞く姿勢にも自然と力が入りました。

4.受賞に対する感想
多くの素晴らしい発表の中で「優秀賞」と「マイナビ賞」の2つの賞をいただくことができ大変光栄に思っています。審査委員の方々の貴重なフィードバックや、メンターからの信頼できるアドバイス、データサイエンスセンター事務局の方々の温かいサポート、そしてアンケートにご協力くださった多くの方々の支えがあったからこそ、アイデアを丁寧に磨きあげ、発表まで形にすることができました。今回の受賞は、私たちにとって大きな喜びであると同時に、このアイデアを実現したいという思いを一層強める、確かな原動力となりました。

 
5.他大学の発表や懇親会での交流を通して感じたこと・学んだこと
他大学の発表や懇親会での交流を通して、自分たちとは異なる専門性や経験をもつ学生が、どのようにテーマと向き合いアイデアを形にしているのかを知ることができ、大きな刺激を受けました。懇親会では、企画の出発点や苦労した点、工夫した点などを直接伺うことができ、多くの学びを得られました。また、関係者の方々とも直接お話しする機会をいただき、発表内容について具体的に評価していただけたことを大変光栄に感じるとともに、私たちの提案したアイデアの実現可能性を高めるための貴重なヒントをいただき、非常に励みになりました。

最後に、このような貴重な機会を提供してくださった関係者の皆様、ならびにご支援くださった全ての方々に心より感謝申し上げます。
「理工系女子のウェルビーイングな未来の実現」に向けて、本コンテストで得た知見や、いただいたアドバイスを基に、私たちのアイデアを具体的に形にし、前進していきたいと考えています。


 
プレゼンテーションの様子
プレゼンテーションの様子
受賞式の様子1
受賞式の様子1
受賞式の様子2
受賞式の様子2